最近、不妊治療に対する認知度が広がりつつあります。
少しずつですが制度も整い始め、子どもを望んでいる夫婦にはありがたい追い風です。
わたし自身も、1年間不妊治療をした経験があります。
ただ、教員という仕事と不妊治療の両立は非常に難しいものでした。
そこで今回は、教員が仕事をしながら不妊治療をするのが難しい理由についてお話ししたいと思います。
わたしが考える、仕事と治療の両立方法もご紹介するので、ぜひ最後までお読みください♪
noteで不妊治療の体験談をまとめています!全部で5話あります。
教員が仕事をしながら不妊治療をするのが難しい理由
わたしが1年間不妊治療を経験し、特に仕事との両立が難しいと感じたポイントが、
- 時間的余裕がない
- 精神的余裕がない
- 過度なストレス
この3点です。
時間的余裕がない
不妊治療を始めると、頻繁に病院に通うことになります。
病院にもよりますが、多くの場合受付時間は17〜18時頃までです。
その時間までに仕事を切り上げるのは、至難の業と言えるでしょう。
特に、部活動を担当している中学校教員はなおさらです。
わたしの場合は、最低でも月に1回は病院を受診していたよ!
多いと週に2〜3回来てくださいと言われることもしばしば…。
そんなに頻繁に休んだり早退したりしたら、周りの目が痛いな…。
早退や欠勤が増えると、周りの目が痛いのが現実です。
特に治療を隠している人は、周りの理解を得るのが難しいかもしれません。
そうなると、仕事が休みの土曜日に受診せざるを得なくなりますが…。
土曜日の病院の混み具合を、舐めちゃいけない!
予約していても4〜5時間待たされるのは日常茶飯事かな…。
また、部活動や行事、平日に終わらなかった業務などで土曜日も休めない先生も多いですよね。
そもそも、治療に通うための時間の確保が難しいのです。
精神的余裕がない
教員は、仕事の特性上、どうしても子どもと密接に関わる機会が多くなります。
(※というか、それが仕事です(笑))
不妊治療をする、と言うことは、自分の子どもを望んでいるわけですから…。
「どうして自分のところには子どもが来てくれないのに、
他人の子どもと一緒に過ごさなくてはならないんだ!」
……と思ってしまうことが多々あったよ。
不妊治療という側面で見ると、他の仕事よりも精神的に辛くなりやすい職業だと言えるでしょう。
もちろん自分で選択した職業です。
でも、不妊治療をしている間は、子どもと向き合うのが辛くなることが多かったですね。
過度なストレス
時間的・精神的余裕がないことと重複するところもありますが、教員は非常にストレスの多い仕事です。
子どものトラブルに日々頭を悩ませ、常に迫り来る行事の準備をしながら、何かあれば保護者と面談する毎日。
やはりストレスフルな状況では心身の不調も絶えません。
わたしが個人的に不妊治療において一番大切だと思うのは、心と身体の健康です。
仕事でいっぱいいっぱいになってしまい、自分の健康を後回しにしていては、なかなか子どもを授かれない状況は続いてしまいます。
仕事と不妊治療を両立するためには?
これらの原因を踏まえて、仕事と不妊治療を両立するにはどうしたら良いでしょうか。
今回は、わたしの経験も踏まえて3つの方法をご紹介します。
休職する
わたしは、不妊治療をする方には休職を強くおすすめします。
ただ、休職は大きなメリットがある反面、デメリットもあります。
休職のメリット・デメリットを理解した上で、どのように治療を進めていくのか決めることが大切です。
メリット
休職には、次のようなメリットがあります。
- 時間的にも精神的にも余裕ができる
- 毎日の仕事によるストレスから距離を置くことができる
- 治療後は職場復帰も可能
自分の心と身体の健康に向き合うことができるのは大きすぎるメリットだね!
わたしも実際に1年間の休職をいただきました。
その際、まず行ったのは体質改善です。
食事に気を遣い、適度な運動をするようになって、明らかに体の調子が良くなりました。
長年悩まされていた偏頭痛の頻度が激減したり、体が疲れにくくなったりしました。
おそらく、働きながらでは体質改善は難しかったと思います。
また、不妊治療終了後は職場に復帰することも可能です。
休んだ学校に戻るのが気まずい時は、異動を希望することもできます。
デメリット
一方で、以下のようなデメリットもあります。
- 手続きが面倒
- 診断書の取得が必要
- 不妊治療で休職が可能かどうかは、自治体の判断による
- 給料が減額(90日目以降)
病気による休職を取得するためには、治療のために長期間仕事を休まなくてはならない旨をお医者さんに診断してもらう必要があります。
お医者さんが、「この(不妊)治療で仕事を長期で休む必要はない」と判断した場合は診断書を書いてもらうことができません。
また、自治体によっても不妊治療による病休を認めるかどうかの判断が異なります。
まずは、仕事をしながら治療をすることが困難であることを担当のお医者さんに伝えるのがおすすめです。
子どもと関わることによる精神的なストレスはお医者さんにはわからないからね!
合わせて、管理職に不妊治療による休職が取得可能かかけあってみると良いでしょう。
給与は、休みに入ってから3ヶ月間は満額、それ以降は減額されます。
不妊治療で休職する場合は、治療でもお金がかかることを考えるとある程度の資金を用意してからの方が良いかもしれません。
休職に関する内容については、こちらの記事でも解説しています。
ぜひ合わせてお読みください。
以下、教員の不妊治療について参考サイトのご紹介です。
\ 福島県の例 /
\ 厚生労働省「不妊治療と仕事との両立サポートハンドブック」 /
学年や分掌を考慮してもらう
学校の中にはさまざまな仕事があります。
校務分掌によって毎日の忙しさは大きく異なります。
例えば、小学校の担任なら、高学年よりは低・中学年の方が仕事の負担が少ない傾向にあります。
中学校なら、受験を控える3学年の担任や、強豪の部活動の担当になると多忙になります。
新年度をむかえる前に、そういった負担の大きな役職を外してもらうよう管理職にお願いをすると良いでしょう。
管理職や主任など信頼できる人には伝える
不妊治療は、周りの人に相談できないことも悩みの一つです。
でも、わたしは積極的に周りに伝えることも必要だと思っています。
理由は、状況を理解してもらい協力を得ることができるからです。
主任や管理職に話しておくことで、治療のために休みを取りやすくなったり、前述した校務分掌を考慮してもらったりすることができます。
わたしも、管理職・学年主任の先生・信頼のおける先輩などには不妊治療のことを伝えていたよ!
不妊治療経験者の方も意外と身近にいたので相談しやすかったよ!
現在、5.5組に1組が不妊に関する検査や治療を経験したことがあるそうです。
不妊治療に対する理解も広まりつつあります。
勇気を出して周りに伝えることで状況が良くなることもあるかもしれません。
教員が仕事をしながら不妊治療をするのが難しい理由と対策まとめ
教員が仕事と不妊治療の両立が難しい理由は、以下の通りです。
- 時間的余裕がない
- 精神的余裕がない
- 過度なストレス
その対策として、
- 休職をする
- 学年や分掌を考慮してもらう
- 管理職や主任など信頼できる人には伝える
などがあります。
わたしが不妊治療の経験を通して、最も大切だと感じたことが心と身体の健康です。
1年間の休養で、心身の状態を整えて万全の準備をすることができたからこそ、
今息子を迎えられているのだと思います。
仕事に対する価値観は人それぞれです。
自分に合った、仕事と不妊治療に向き合う方法を考えていくことが大切なのではないでしょうか。